メルペイの定額払いというサービスがあるらしい。たまにポイント還元をキャンペーンでやっているから気になっている。でも、デメリットはないんだろうか?
定額払いを実際に利用してみたときに手数料が支払いがどうなるのかを知りたい。
メルペイの定額払いは一回で支払いが難しいときに便利なサービスにも思えます。ところが、内容をよく見てみるとクレジットカードのショッピングリボ払いと同じような仕組みだと分かりました。
そこで、この記事ではメルペイの定額払いのデメリットや手数料など利用するときに気を付けることを解説します。
目次
メルペイ(メルPay)の定額払いとは?
まず、メルペイの特徴について簡単におさらい
メルペイはスマホ決済の一つ。他のスマホ決済と大きく違う特徴は、メルカリの売上金を使えるとことです。メルカリで不用品や商品を販売している人にとっては便利なスマホ決済と言えるのではないでしょうか。
もちろん、メルカリの売上金がなくても銀行口座へ入金(チャージ)してメルペイを利用可能です。だから、メルカリをやっていない人も利用できるスマホ決済です。
そして、メルペイには支払い方法にも特徴があります。それは、クレジットカードのようにあとから払えるところです。これをスマート払いと呼んでいます。
スマート払いには「翌月払い」と「定額払い」の2種類があります。
「翌月払い」は1ヶ月の間で利用した金額を翌月にまとめて一括で支払いができるのです。翌月1日利用金額が明細にて分かるので、月末までにコンビニやATMで支払いを済ませます。
メルペイの定額払いは支払い方法の一つ
さらにメルペイには、「定額払い」があります。スマート払いで翌月払いが難しい場合はメルペイで利用した金額を数カ月に分けて支払うことができる
定額払いにすれば事前に決めた金額で支払いができるので、一括払いよりも一回あたりの負担が少なくなるのです。
例えば、5月にメルペイで5万円分の決算したと想定しましょう。定額払いを利用しなければ、6月1日から30日までの間に5万円を一度に支払う必要があります。
対して、定額払いで毎月10,000円ずつ払う設定にすれば、6月に10,000円、7月に10,000円…と支払いをしていけばよいのです。
スマート払い(翌月払い) | スマート払い(定額払い) |
6月:50,000円をまとめて支払い |
◎5万円の残高がゼロになるまで続く |
メルペイ「定額払い」で毎月の支払う金額の決まり方
定額払いで毎月の支払う金額は「弁済金」とも呼ばれます。毎月の弁済金は最低1,000円以上で、自分自身で設定可能です。ただし、メルペイを利用した金額(利用残高)によって、最低の支払い額は違っています。
一例を示すと下の表のようになります。
残高/円 | 最低の支払い額(弁済金)/円 |
1〜999 | 残高と同額 |
1,000〜37,999 | 1,000 |
38,000 〜 75,999 | 2,000 |
76,000 〜 114,999 | 3,000 |
115,000 〜 152,999 | 4,000 |
もし、30,000円をメルペイで決済しても、定額払いすれば毎月1,000円ずつの支払いで済みます。50,000円の場合は2,000円の支払いでも良いのです。
メルペイ「定額払い」で毎月の支払う金額の内訳
毎月支払う金額の内訳は「元本+手数料」で構成されています。元本とはメルペイの残高が実際に減っていく金額です。
例えば、毎月3,000円ずつ支払いをしているとは言っても、メルペイの残高が3,000円ずつ減っていくわけではありません。この1,000円は「元本部分と手数料部分」に分けられるのです。

イメージとしてはこのような感じです。専門的に言うとメルペイの定額払いは「元利定額」という仕組みになっています。
元利定額には残高が多いときは手数料の負担部分が多い特徴があります。つまり、残高が多いと元金が減り難い傾向です。

メルペイ(メルPay)の定額払いのデメリット
審査がある
メルペイの定額払いには審査があり誰もがすぐに使えるわけではないのがデメリットの一つです。
まず、定額払いを利用するには「アプリでかんたん本人確認」をしなければなりません。そして、審査に通過しなければ利用することができません。また、20歳未満の方は申し込み不可です。
審査があるのは申し込みをした人に支払い能力があるかや遅延なく支払ってくれるかを確認するためです。そのため、誰でも定額払いを利用できるとは限りません。
ちなみに、メルペイの定額払いに関する審査基準は公表されていません。クレジットカードの入会審査でも基準を公表している会社はないので、メルペイだけが特別に非公表というわけではありません。
一般的には「安定した収入がある」「過去に支払いの遅延や滞納をしていないか」などを調査します。さらに、メルペイではメルカリの取引履歴が審査に含まれているとも言われています。

手数料がかかる
定額払いを利用すると実質年率15%の手数料がかかります。手数料はお金を借りたときの利子(利息)のようなものです。
定額払いを利用したいと思うのは高額な買い物をして、一括払いできないような状況が想定されます。だから、手数料の負担も大きくなるでしょう。
どれくらいの負担になるかは後ほどシュミレーションをするので、そこで確認してみてください。
支払いが長期化する可能性がある
メルペイの定額払いは利用残高に対して支払い額(弁済金)を設定可能です。しかし、設定金額が小さいと残高をゼロにするまでの期間が長くなってしまいます。
例えば、残高30,000円のときでも毎月1,000円の支払いで済みます。ところが、30,000円の残高をゼロにするには、38ヶ月(3年2ヶ月)かかります。
30ヶ月(30回)で済まないのは手数料があるからです。さらに、返済期間が長くなってしまえば手数料の負担も増えていきます。

遅延損害金の発生がある
メルペイの定額払いで滞納してしまうと実質年率14.6%の遅延損害金がかかります。清算期限内に支払いをすれば問題ないのですが、定額払いの通常の手数料に加えて、遅延損害金がかかれば大きな負担となります。
遅延損害金は1日あたりで計算されます。だから、支払いが遅れた場合は1日でも早く清算することが大切です。
遅延長引いたり滞納したりするとあなたの信用情報にも傷がついてしまいます。今後、「クレジットカードを作れない」「ローンを組めない」といった事態ににもなりかねません。

定額払いを選択したら戻せない
メルペイスマート払いで購入した商品はあとから定額払いに変更可能です。ここで注意しなければならないのは、一度定額払いしてしまうと翌月払いには戻せなないことです。
だから、翌月払いで支払いできるのに間違って、定額払いにしてしまうと手数料が発生してしまいます。
≫【一覧】カード会社の独自のリボ払いの呼び方や別名|隠れリボかも?
メルペイ(メルPay)の定額払いの手数料や計算方法
手数料
メルペイの定額払いの手数料は実質年率15%です。手数料はメルペイの残高に対して1日ごとに発生するので、1日あたりの率は約0.041%(15%÷365日)です。うるう年の場合は366日で割ります。
例えば、10,000円の残高であれば1日あたり約4.1円の手数料が発生しています。1ヶ月では約123円です。
計算方法
手数料を実際にいくら払うかを計算するには、残高に1日あたりの利率と支払いをするまでの日数をかければ良いです。
(例)月末にメルペイの残高が50,000円あり、翌月の30日に支払いをする場合
50,000円×0.041%×30日=615円
※0.041%は1日あたりのおおよその利率です。小数点も考慮するので実際とは多少違う場合もあります。参考値としてお考えください。
もし、1回あたりの支払い額を5,000円に設定している場合の内訳は次のようになります。
- 元本部分:4,385円
- 手数料部分:615円
2回目はメルペイの残高が45,615円に対して手数料が発生するようになります。もちろん、追加で定額払いを利用しない場合です。

メルペイ(メルPay)の定額払いをシュミレーション
ここでは5万円のメルペイ残高があるときに1回あたりの支払い額(弁済金)を変更して、残高がゼロになるまでの期間や手数料がどうなるのかをシュミレーションしましょう。
ケース1:弁済金5,000円
回数 | 元金部分 | 手数料部分 | 返済後残高 |
1 | 4,375 | 625 | 45,625 |
2 | 4,430 | 570 | 41,195 |
~~~ | ~~~ | ~~~ | ~~~ |
10 | 4,893 | 107 | 3,700 |
11 | 3,764 | 46 | 0 |
残高をゼロにするまで11ヶ月かかり、合計の手数料は3,746円でした。
ケース2:弁済金2,000円
回数 | 元金部分 | 手数料部分 | 返済後残高 |
1 | 1,375 | 625 | 48,625 |
2 | 1,393 | 607 | 47,232 |
~~~ | ~~~ | ~~~ | ~~~ |
30 | 1,972 | 28 | 305 |
31 | 308 | 3 | 0 |
残高をゼロにするまで31ヶ月(2年7ヶ月)かかり、合計の手数料は10,308円でした。
メルペイの定額払いでは5万円の残高であれば、2,000ずつの支払いでも大丈夫です。しかし、5,000円と比較すると完済までに3年近くかかってしまいます。手数料も約2.75倍になります。

メルペイ(メルPay)の定額払いで困らないための対策
使い過ぎに注意する
定額払いは良い面もありますが、使い過ぎてしまうと残高がなかなか減っていきません。一回あたりに返済する金額にもよりますが、残高が増えれば増えるほど、元本部分の減りが少ないです。
今のペースでいつ返済できるかを考えながら定額払いを使うようにしてください。計画通り利用しないといつまで経っても手数料を支払い続けることになります。
月々の返済額を上げて手数料を減らす
余裕があれば月々の返済額(弁済金)を上げるようにしましょう。シュミレーションでも明らかになったように、返済額を増やせば期間の短縮につながります。
定額払いはいざというときの手段だと考える
定額払いはキャンペーンなどで勧められることもあります。魅力的な特典ですが、使い方によっては特典以上に手数料を払う可能性も考えられます。
日常的に定額払いを多用するとクセになってしまう可能性が高いです。基本は翌月払いにしてどうしても支払いが難しいときに定額払いを利用するようにしましょう。
まとめ
メルペイの定額払いはクレジットカードのリボ払いと同じだと考えられます。使い過ぎれば手数料の負担も大きくなります。便利だと思って勧められてもデメリットを知った上で利用するようにしてください。
リボ払いのやばさは、『リボ払いがやばいのはなぜ?経験者にしか分からない本当の理由』で分かりますよ。使い過ぎは注意です。


「リボ払いでちゃんと支払いしていたのにどうして?」って思いますよね。
実はこんな感じで、「クレジットカードの限度額=リボ払い可能枠」でないクレジットカードも存在します。
【ショッピング枠とリボ可能枠が違う例】
こんなクレジットカードでリボ払い可能枠を超えてしまうと、一括請求になってしまうんです。
もし、一括で支払いできないと、クレジットカード会社から督促が来たり、給与が差し押さえられたり最悪のケースも考えられます。
でも、ある救済の仕組みを使えば、一括請求を回避できる可能性があります。しかも、利息がなくなり、トータルの返済額が減ることもあるんです。
その具体的な方法がこちら
≫リボ払いを救済制度で減額した体験談【利息25万円をカットできた】
デメリットも分かるので、リスクを知ってから検討するのもありですよ。